おしらせ

約25年ぶりの畳替え〜パート2〜

2025/4/10(木)

※前回の投稿の続きのパート2です。

 

畳表替え・裏返し工事

大多喜町 奥養老渓谷 I様邸

 

十畳一間 畳表:涼風 一番草(本間サイズ)

生産者:原隆さん

畳縁:アラベスク(ピンク)

 

二十畳 畳表:涼風 一番草(本間サイズ)

生産者:吉村さん

畳縁:九条 NO.9

 

六畳一間 裏返し

畳縁:九条 No.9

 

 

『せっかくならこの機会に他のお部屋もお願いしたいのですが。』と四間続きのお部屋の畳替えも承りました。

使用畳表は、熊本県八代市の生産者である吉村さんの涼風一番草、本間サイズです。

この畳表は、山と谷がくっきりしており、迫力のある畳表です。

 

日差しが差し込むお部屋の畳縁が経年劣化により、日光による色褪せや擦れてしまい縁紙だけになってしまっていた畳などございました。

今までの当店のお客様の畳替えのひとつの理由として、「畳縁がボロボロになってしまって気になってお願いしたいのですが…。」も多くあります。

 

畳の表替えを行う際に畳表の他にお選びいただけるものが”畳縁”です。

 

現在の畳縁のすごいところがUV(紫外線)カットの糸が使われていることです。

(UVカット糸はお値段によって異なります。賃貸物件などは使われていないことが多いです。)

このことによって、紫外線による畳縁の色落ち、擦れなどを防ぐことが出来るのです。

 

I様がセレクトされた九条NO.9の畳縁は、UVカット糸が入っているのはもちろんのこと、繊細な織りで触るとこげ茶の糸が立体的に浮かんで見え、白地で上品かつ畳も映える個人的に好きな畳縁のひとつです。

種類もたくさんあり、糸の織り方により様々な模様や色のバリエーションがあります。

 

I様邸を支えてきた年代物の畳たち、手間と技術と思いを込めて家具によるへこみなども直していきます。

次の世代にも長く使うことのできる畳は、日本人の文化であり、本当に残したい伝統の生活様式でもあります。

畳床の藁の状態が乾燥していて、今後も使うことのできる畳床の場合はきちんと補修して使い続けたいものです。

↑ぴったりと合わさった框(かまち)同士。

最初は隙間ができていました。

その隙間の理由は…

↑補修前 

畳の角が丸くなってしまっていたこと

角が立っていないことで畳の框(かまち)部分が合わさった時に隙間ができます。

冨松畳店では、畳表を剥がしてからこの丸くなってしまった角をもう一度補修し直します。

(時間と技術が必要なため、多くの畳屋さんはこの作業をカットしてしまうこともあります。)

↑補修後 

角ができ、一直線になりました。この作業が終わりようやく畳縁をつける作業に入ります。

〜畳屋さんのこぼれ話〜

お母さんのアレンジ干し柿、干し柿に大根の酢漬けを巻いたものと生ハムを巻いたもの。

奥養老地域では、昔、干し柿を周り近所の皆さんで作って各家庭の軒下に吊るして、

お正月に勝浦などの漁港の漁師さん達の海の上の保存食として卸していたのだそうです。

 

畳替えの際、I様邸で何日かに分けてお世話になったのですが、仕事終わりに『畳屋さん、ちょっとお茶して行くがいよ』と

手作りの芋羊羹に干し柿などを頂戴しながら、

熊本県の畳表の生産農家さんのことについてお話しさせていただいたり、奥養老渓谷についてなど

I様のお母さんの丁寧なお料理と日本の古き良き文化を味わい、知ることができ、ほっこり致しました。

 

 

畳替えが終わった後、

I様のお父様に『冨松さんのところで畳を頼んで本当によかったよ!畳がこんなにまっすぐ直るんだね。綺麗になってうれしいです。』

とお言葉をいただきました。

 

 

I様、この度はご用命いただきありがとうございました!

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