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2017/08/02琉球縁無し畳

市原市根田 F様 縁無し畳表替え

お得意様より縁無し琉球畳の表替えのご依頼を頂きました。畳表はとても貴重(現在4、5件の生産者)な大分県国東市で栽培されている七島い草を使用した青表。琉球畳で使われる七島イ草(しっとういぐさ)は、その茎の断面が三角形であることから「三角イ」とも言われています。
その茎の断面の実物を見れば誰もがうなずくことでしょう。
『七島イ(しっとうい)』は、大分県の国東地方だけで生産されているカヤツリグサ科という植物で、畳の材料となります。
似ているもので「い草」がありますが、い草の断面は丸いのに対し、七島イは三角の形をしています。(最近良く使われている縁無し畳は丸いい草で織られた琉球表風の目積表を使用しているのがほとんどです。)

七島イは5月頃に田に植え付け、7~8月に刈取りをします。
約80日ほどでぐんぐん成長し、刈取り時には、170~180センチぐらいまで伸びていきます。
苗が不規則なため機械での植え付けは難しく、手作業で植えていきます。
七島イの刈取りは、日の出前、日没後に行なわれます。
七島イ草の生え方は密集しているために機会での刈り取りができず、手で刈り取りをしなければなりません。刈り取りの様子は自分の背丈より高くなったものを、かがんで根本から刈り取り、束ね、運びます。
これは現在ある農作業の中でもとても大変な重労働です。 刈り取ったばかりの七島イは、青々として、キラキラしています。
刈り取った七島イは、選別されて分割機で2本に割いていきます。
七島イそのままでは、太すぎて畳表にできないということと、2本に割くことでこの後の乾燥がしやすくなります。
そしてこの分割作業で割かれた不整形な断面が琉球畳の特長とも言える風合いを生み出します。
割いた七島イは、乾燥していきます。
約8時間から10時間ほどかけて乾かしていきます。
乾燥した後は根元についている「はかま」を取り除きます。
七島イ(七島蘭)には、350年の歴史があり、琉球畳は本来、この七島イを使ったものを言います。
七島イの畳は非常に丈夫なことから、柔道の畳として利用されてきました。
ただ、七島イの畳表は、1農家で1日2畳程度しか作れません。
今では大分県に約4、5件の生産農家があるだけの希少価値の高い作物で、大分県全体の生産量ですら畳にして約4,000枚程しかとれないと言う事です。

今回、希少な国東七島藺表を使用しての表替えでした。

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